『日本と原発』トーク

Out Take 01 ~鈴木大介杜氏~

14/11/03

鈴木さんは映画の中で、現在山形県で営んでいる酒造を河合にみせてくれた。

鈴木さんの元の酒蔵は浪江町請戸地区にあり、フクイチから直線距離でわずか7kmだった。

蔵や家屋はすべて、津波で流出した。そして、山形での再建。

映画本編では使われなかった、鈴木さんの故郷浪江についての想いをご紹介しよう。

 

<河合> 僕は、阪神大震災の後の長田地区被災の様子やその後の復興の様子もみてきたんですね。そして、東北も復興しつつある。でも、福島では同じようにいかない。

鈴木さんのところ、浪江の場合も復興は厳しい。

<鈴木> 何も残せないんです。浪江のものを自分達の子ども達に残せない。今の状況では、もう何も浪江をつなぐものがない。自分たちは津波でやられて本当に悔しい想いをしているんですが、残すものが何もないのが一番辛いですね。子ども達も18歳にならないと向うには戻ることもできない。どうすれば残せるのか、答えはなかなかみつからない……

<河合> 将来的展望としてはどうお考えになりますか?

<鈴木> すぐに何かにとりかかるというのは難しいと思っていますけど、造り酒屋として何かできないかと考えています。ただ、酒というのは、酒の原料は水なんですね。次は米なんですけども。浪江の行政が動いた時には、何かお手伝いできないかとは考えています。ただ、うちは請戸地区で、低線量放射性廃棄物を請戸に持ってきてから分別して処理をする場所になってしまったので、請戸で商売っていうのは、もう本当にしばらくすることはできないと思っています。それでも、いずれは、請戸で井戸を掘って水の安全を確認しながらなんとか――今、こういう状況にあるので、本当に大変ではあるんですが、ひとつひとつできることをやっていきたいと思っているんです。


<河合> ということは、こことは別にもう一回、浪江で酒造りをしてみたいと――

<鈴木> まあ、難しい壁がいろいろあるとは思うんですけれども、そこはなんとかしていきたいと思っています。

<河合> 浪江を捨てるつもりはないということで…

<鈴木> もちろん、今ここにいて、こちらをしっかり動かしてっていうのが前提ですけれど……。



 

株式会社鈴木酒造店 長井蔵

以下の写真は、現在の鈴木さん経営造り酒屋『鈴木酒造店』のHPである(画像をクリックするとHPにジャンプ)。

鈴木酒造の日本酒の取り扱い店舗は現在105店舗になった。

今回の取材では、カメラを回したスタッフ達も鈴木さんの男気に惚れたようで、映画の編集の際にも、是非、鈴木さんには頑張ってほしいと語っていたのが印象的であった。

『磐城壽』をはじめとする海の男酒に、復興への祈りを込めて。

鈴木酒店

株式会社鈴木酒造店 長井蔵

住所:〒993-0015山形県長井市四ツ谷1-2-21

MAIL: info@iw-kotobuki.co.jp

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